2007年 松山大会での自由集会
第54回日本生態学会松山大会における植物生理生態の自由集会
「植物における物質分配の生理生態学」
2007年3月20日 18:00-20:00 愛媛大学 大会会場 Room G にて
講演者:
・葉と茎、枝間の相互依存性:パイプモデル構造の構築・維持と力学的な樹形の形成 曽根恒星(東大院・理)
・植物の地上部/地下部比はどう決まる? 外的要因と内的要因 大曽根陽子(森林総研・樹木生理)
・カンキツの高品質連年生産と物質分配 草塲新之助(農研機構果樹研・四国)
・物質分配の制御モデルと予備的なテスト 舘野正樹(東大院・理・日光植物園)
コメンテーター: 竹中明夫(国立環境研)
概要
光合成産物は各組織へと分配され、植物体の骨格として形を決めることで成長速度を左右する。植物は戦略的にこうした物質分配をコントロールして、生育環境に適応することが知られている。
物質分配のパターンを決めるしくみは大きく二つの方向で議論されている。ひとつは生理的な応答を中心にした研究で、生育環境に対する分裂組織の活性や植物ホルモンを介した応答を通した形態形成の仕組みを探るものである。もうひとつは適応的な視点からの研究で、生育環境での各器官への資源の分配量が個体の機能と適応度にどのように影響するのかを検討するものである。種間・種内ではどれほどの多様な物質分配パターンがあるのか、そして物質分配にはどんな限界があるのかを系統的に理解するためには、前者の視点から明らかにできる定性的な反応経路と、後者の視点から明らかにできる応答の定量的なレンジとを同時に考慮することが必要だろう。
本集会では、以上のことを踏まえて、物質分配のパターンとその制御に関わるメカニズムについて理論的に研究されている方々と記載的に研究されている方々の両方に集まっていただき、話題を提供していただく。さまざまな分野の方から議論に参加していただければ幸いである。
企画者: ☆種子田春彦☆齋藤隆実☆鍋嶋絵里☆宮沢良行☆小口理一